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レストア vs オリジナル:中古楽器の価値を左右する要因を探る
中古楽器の価値を左右する要因を探る 中古楽器市場は、音楽愛好者やコレクターにとって宝の山です。その中でも特に注目されるのが、ヴィンテージ楽器です。しかし、これらの楽器の価値を決定する際にしばしば議論になるのが「レストア(修復)された楽器」と「オリジナルの状態を保った楽器」のどちらが優れているかという点です。今回は、レストアとオリジナルの楽器の価値を左右する要因について探ってみましょう。 オリジナルの魅力 オリジナルの状態を保った楽器は、多くのコレクターや音楽家にとって非常に魅力的です。その理由は以下の通りです。 1. 歴史的価値オリジナルの楽器は、その時代の製造技術や素材、デザインをそのまま残しています。これにより、楽器自体が歴史的なアーティファクトとしての価値を持ちます。例えば、1950年代のフェンダー・ストラトキャスターや、1920年代のマーチンギターなどは、その時代の音楽文化や技術の象徴として高く評価されます。 2. 音色の純粋さオリジナルの楽器は、その製造当時の音色を保っています。特にヴィンテージ楽器は、経年変化によって独特の音色が生まれることが多く、これを求める音楽家も少なくありません。オリジナルのパーツや素材がそのまま残っていることで、その楽器固有の音色が保たれるのです。3. コレクターズアイテムとしての価値オリジナルの楽器は、コレクターにとって非常に価値が高いです。特に有名なミュージシャンが使用していた楽器や、限定生産されたモデルなどは、オリジナルの状態であることがその価値を大きく引き上げます。 レストアの魅力 一方で、レストアされた楽器にも多くの魅力があります。レストアの利点を以下に挙げます。1. 機能性の向上長年使用された楽器は、経年劣化や損傷が避けられません。レストアによってこれらの問題が修復されることで、楽器の機能性が向上します。例えば、弦楽器のネックの反りや、ピアノの鍵盤の摩耗などが修復されることで、演奏性が大きく改善されます。2. 美観の復元ヴィンテージ楽器は、その見た目も魅力の一つです。しかし、長年の使用によって塗装が剥げたり、傷がついたりすることがあります。レストアによってこれらの問題が解消されることで、美しい外観が復元され、楽器としての魅力が増します。3. 音色の調整レストアによって、楽器の音色が調整されることもあります。例えば、ピアノのハンマーのフェルトを交換することで、音色がクリアになったり、ギターのピックアップを交換することで、音の出力が向上したりします。これにより、演奏者の求める音色に近づけることができます。 価値を左右する要因 オリジナルとレストアのどちらが価値があるかは、一概には言えません。それぞれの価値を左右する要因を以下にまとめます。 1. 楽器の種類と年代楽器の種類や製造年代によって、オリジナルの価値が高い場合と、レストアの価値が高い場合があります。例えば、非常に古いストラディバリウスのバイオリンなどは、オリジナルの状態であることが重要視されます。一方で、比較的新しい楽器や大量生産されたモデルでは、レストアによる機能性の向上が重視されることがあります。2. 使用目的楽器を購入する目的によっても価値が異なります。コレクション目的であれば、オリジナルの状態が重視されますが、実際に演奏するためであれば、レストアによって機能性が向上した楽器の方が好まれることがあります。3....
続きを読む楽器の価値と査定基準
プロが見る楽器の価値と査定基準 中古楽器店は、音楽愛好家にとって宝の山であり、同時に楽器との別れを告げる場所でもあります。しかし、その裏側では、プロフェッショナルたちが楽器の価値を見極め、適切な価格をつけるという重要な仕事を行っています。今回は、中古楽器店の査定プロセスと、楽器の価値を決定する要因について深く掘り下げてみましょう。楽器の価値を決める要因中古楽器の価値は、単に楽器の種類や年代だけでなく、さまざまな要因によって決定されます。1、楽器の状態:最も重要な要素の一つです。傷や摩耗の程度、パーツの劣化などが価格に大きく影響します。ありがちな状態のマイナスとしてはカスタムしているがオリジナルパーツはない、またステッカーを貼っているなどです。ステッカーは「剥がせばいいじゃん」と思われがちですがシール焼けや極薄ラッカーなどの場合塗装剥がれにつながるのでマイナス要素となります。2、ブランドと型番:当たり前ですが有名ブランドや人気モデルは高値がつきやすい傾向にあります。ただし、人気モデルは楽器店も在庫過多になったり、そもそも中古市場で飽和状態のことが多いので買取時に警戒されることもあります。一例を挙げますと「ぼっち・ざ・ろっく!」が大流行した際に、主人公が使っていたレスポールカスタムタイプが大量に売れ、メーカー問わず大人気モデルとなりました。しかし、ブームが落ち着いた時にこのモデルが大量に売られ、人気だったモデルが一気に飽和状態で売れ残るという事案が発生しました。3、年代:ビンテージ楽器は、その希少性から高額になることがあります。音質:特に弦楽器やアコースティック楽器では、音の良さが重要な評価基準となります。4、市場需要:その時々のトレンドや需要によって価格が変動します。市場というのはどんなジャンルでも株価のように売り時、買い時というのがあります。一流アーティストの発言ひとつで価値が急上昇したりする世界です。少しでも高く売りたい方は、そういった背景も意識してみるといいでしょう。5、歴史的価値:有名ミュージシャンが使用していたモデルなど、歴史的背景も価値に影響します。最近ではジョンメイヤーがアーティスト写真か何かでTOKAIのSSシリーズを抱えて映っていたということで話題になりました。 プロの査定プロセス中古楽器店のプロフェッショナルは、これらの要因を総合的に判断して楽器の価値を査定します。どの楽器店でも大体、以下のようなプロセスで査定が行われます。 1、外観チェック:傷や摩耗の程度を細かくチェックします。 2、機能テスト:楽器が正常に動作するか、音質はどうかを確認します。 3、市場価値の分析:同種の楽器の市場価格を参考に、適正価格を算出します。 4、需要予測:その楽器がどの程度の需要があるかを予測します。当店はそのほかにサウンド面も買取価格に反映させていただきますので、サウンドが良ければ一般的な中古市場より高く買い取らせていただき、いくら希少なモデルでもサウンドがイマイチだと感じたら低くさせて頂きます。それはお客様にオススメできないからです。当店は試奏動画も上げているので、希少性だけで高額にしてもサウンドの良し悪しがお客様にバレてしまいます。そして、当店はネット販売だけなので、ご自宅に届き実際に弾いた時にガッカリしてほしくないのです。もちろんサウンドの好き嫌いは個人差がありますが私が独断で「お客様にオススメできないな」と感じたものはそれ相応の金額で販売させていただくので、買取価格も厳しくさせていただきます。ただ、逆に買った時は安いエントリーモデルだったモデルも長年弾き込み、深みのあるサウンドになっていたら高く買い取らせていただきます! 査定の裏側にある専門知識中古楽器の査定には、幅広い知識と経験が必要です。中古楽器専門店では、スタッフが楽器の歴史や構造、さらには市場動向まで熟知しています。例えば、ビンテージギターの査定では、製造年代の特定が重要になります。シリアルナンバーや使用されているパーツ、塗装の特徴などから、製造年を特定し、その時代の特徴と照らし合わせて真贋判定を行います。また、楽器の音質評価には、高度な音楽的知識と経験が必要です。特にアコースティック楽器では、木材の質や熟成度、製作技術などが音質に大きく影響するため、これらを総合的に判断する能力が求められます。 結論楽器に込められた前の所有者の思いを次の所有者へとつなぐ、中古楽器店の重要な役割を表しています。一言に「楽器の売買」という裏側には、プロフェッショナルたちの深い知識と経験、そして楽器への愛情が詰まっています。大袈裟に言えば、査定人は単に楽器の価格をつけるだけでなく、楽器の歴史を紡ぎ、新たな音楽の創造を支援する重要な役割を担っているのです。中古楽器を購入する際や売却する際には、これらのプロフェッショナルの知識を活用し、楽器の真の価値を理解することが大切です。そうすることで、私たちは楽器との素晴らしい出会いや、思い出深い別れを経験することができるでしょう。 当店でも無料査定を行なっております!自分の楽器がどのくらいの価値か確認してみませんか?ぜひこちらから試してみてください!⬇️クリック
続きを読む海外における ジャパンビンテージギター
ジャパンビンテージギターの人気の理由 一般的にジャパンビンテージギターとは、日本国内で1970年代~80年代に製造されたギターのことを指しますが、近年この国産ギターが海外で非常に人気があります。今回は、その海外におけるジャパンビンテージギターの人気の理由や特徴について僕なりに考察していきたいと思います。 海外で人気のある日本メーカーを一部ご紹介させていただくと YAMAHA TOKAI Greco ARIA (F:Aria Pro II ) Ibanez Fernandes Morris など 日本でも有名な楽器メーカーさんですよね。 日本の匠が築き上げた 信頼性 まず、ジャパンビンテージギターの人気の一つにその品質の高さが挙げられます。日本は1970年代~80年代にかけて緻密な技術を持った職人が多く輩出された時期でした。 有名な話で、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」の主人公マーティとドクの会話内で1955年に生きるドクが壊れたパーツを見て「故障するはず...
続きを読む楽器の保管とメンテナンス
楽器を「大切にする」ということ 楽器は演奏者にとって大切なパートナーです。中古楽器を手に入れた際に は、その楽器を長く使用するためにも、適切な保管と保存方法を知っておくことが重要です。楽器店に勤務していた頃、購入していただいた方から「使わないときはギタ ーケースにしまったほうがいい?」や「弦は緩めておいたほうがいい?」など質問をいただくことが多々ありました。以下では、僕なりに中古楽器の保管と保存方法について説明していきます。 まず、中古楽器を手に入れた際には、基本的な清掃を行うことをオススメします。楽器専門店で購入すれば清掃の行き届いていると思いますが、ネットで中古楽器を買ったり、多種多様な商品を取り扱っているリサイクルショッ プなどで購入した際は使用する前に清掃をしておいた方が良いです。そうし ないとホコリで服や部屋が汚れたり、手垢のついたまま使用していると腐食していくことがあるためです。 本格的に清掃をしたいということであれば楽器店、またはご自身で楽器に合 った専用のクリーニング剤やメンテナンスキットをしようすると良いでしょう。 様々なオイルの使い分け 例えば、木製の楽器は素材に優しいクリーナーを使用し、金属製の楽器は錆び防 止のためにオイルを使用するなど、適切な方法を選んで清掃を行いましょう。 ギターやベースなどは特に箇所によって様々な木材や塗料などが使われているた め溶剤を購入する際は商品説明をよく読んだり、楽器店の場合は店員さんに聞いてみると良いでしょう。 指板はレモンオイルやオレンジオイル、ボディには塗料にあったポリッシュを使 いましょう。最近では色々な塗料に使える万能ポリッシュもあるので、そちらをオススメします! ここで「『レモンオイル』と『オレンジオイル』って何が違うの?」と思った方に軽くご説明いたします。レモンオイル:サラッとしていて蒸発しやすいため手垢などを落とすのに効果的オレンジオイル:レモンオイルに比べ、トロっとしているので指板の保湿に効果的例えるなら、シャンプーとトリートメントといったところでしょうか。 個人的にはオレンジオイルでも手垢は落とせますので両方買う必要はないかなとも思いますが、一般的にはこのように使い分けています。 温度や湿度 続いて、以前もブログで軽く触れましたが、やはり楽器を保管する場所は、乾燥...
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