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Fender Japanの誕生

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誕生の背景

1970年代後半、アメリカのフェンダー社は深刻な経営危機に陥っていました。一方で、日本では高品質なフェンダーのコピーモデルが数多く製造されていました。この状況を打開するため、フェンダー社は日本の楽器メーカーとの提携を決意します。

フェンダージャパンの誕生


1982年、フェンダー社は日本の楽器製造会社フジゲンと提携し、フェンダージャパンを設立しました。これにより、日本国内で正規のフェンダーギターの生産が開始されました。高品質かつ手頃な価格のフェンダーギターが日本市場に登場し、多くのミュージシャンを魅了しました。

日本製フェンダーの躍進

品質と革新
フェンダージャパンは、アメリカンフェンダーの伝統を受け継ぎつつ、日本の優れた製造技術を活かして高品質なギターを生産しました。特に、ヴィンテージモデルの復刻や日本独自のモデルの開発など、革新的な取り組みを行いました。

世界的な評価
日本製フェンダーの品質は、国内だけでなく海外のミュージシャンからも高く評価されるようになりました。多くの有名アーティストが日本製フェンダーを愛用し、そのサウンドと信頼性を絶賛しました。
フェンダー本社の再興と日本の貢献

技術支援による再建
1985年、フェンダー社はCBSから独立し、新たな出発を迎えました。この時期、フェンダージャパンの技術支援が、アメリカのフェンダー本社の再建に大きく貢献しました。日本の製造技術と品質管理ノウハウが、フェンダーブランド全体の復活を支えたのです。

カスタムショップの設立
1992年、フェンダーカスタムショップが設立されました。ここでは、日本の技術者たちの知見も活かされ、最高峰のフェンダーギターが製作されるようになりました。

新たな時代へ

フェンダージャパンの 終焉と再出発
2015年、長年続いたフェンダージャパンのライセンス契約が終了しました。しかし、これは終わりではなく新たな始まりでもありました。フェンダー社は日本に現地法人を設立し、フェンダーミュージックジャパン株式会社として新たなスタートを切りました。

世界初の旗艦店オープン
2023年6月、世界初のフェンダー旗艦店が東京・原宿にオープンしました。これは、日本市場に対するフェンダー社の高い評価と期待の表れと言えるでしょう。

フェンダージャパンの遺産

日本のギター文化への影響
フェンダージャパンは、40年以上にわたり日本のギター文化に多大な影響を与えてきました。手頃な価格で高品質なギターを提供することで、多くのミュージシャンの夢を叶え、日本の音楽シーンを豊かにしました。

グローバルな評価
日本製フェンダーの品質と革新性は、世界中のギタリストから高い評価を受けています。フェンダージャパンの歴史は、日本の製造技術の優秀さを世界に示す象徴となりました。

結びに

フェンダージャパンの歴史は、日本の楽器製造技術とアメリカのブランド力が融合した成功物語です。その遺産は、現在のフェンダーミュージックジャパンに引き継がれ、新たな歴史を刻んでいます。フェンダージャパンは、日本のものづくりの誇りと、グローバルブランドとの協力の可能性を示す、輝かしい例として今後も語り継がれていくでしょう。

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