1960年代、ビートルズ旋風が世界中を席巻していた頃、東京の片隅で一人の少年が夢を見ていた。
15歳の健太は、テレビで見たジョン・レノンの姿に魅了され、いつか自分もあのギターを手にしたいと願っていた。

それから半世紀。還暦を迎えた健太は、古い楽器店で一本のギターと出会った。
それは、Greco RG-750B、リッケンバッカー325のレプリカだった。
ジョンが愛用したモデルそのものだ。

健太は震える手でギターを手に取った。その瞬間、彼の心に60年代の熱狂が蘇った。
RG-750Bのボディに刻まれた傷は、まるでビートルズの歴史を物語っているかのようだった。

家に持ち帰ったRG-750Bを抱え、健太は「A Hard Day's Night」のイントロを奏でた。
その音色は、彼の青春時代へのタイムマシンとなった。
健太は毎日RG-750Bと向き合い、ビートルズの名曲を練習した。

そして、地元の音楽教室で教え始めた。
彼は生徒たちに、このギターを通してビートルズの魂と60年代の音楽革命を伝えていった。
ある日、健太のレッスンを受けていた若いミュージシャンが、大きなオーディションに挑戦することになった。彼は健太にRG-750Bを貸してほしいと頼んだ。
健太は迷ったが、このギターが新しい世代の音楽を生み出すきっかけになるかもしれないと考え、快諾した。

オーディションの日、若きミュージシャンはRG-750Bを手に、ビートルズへのオマージュを込めたオリジナル曲を演奏した。
会場は熱狂に包まれ、彼はみごと合格を勝ち取った。

Greco RG-750Bは、単なるレプリカを超えて、世代を超えた音楽の魂を伝える架け橋となったのだ。
それは、ビートルズの精神を受け継ぎ、新たな音楽の歴史を紡ぎ出す1本となった。